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天使とは?それぞれの宗教における天使の意味合いや役割

スピリチュアルな世界でよく聞く『天使』
この天使は、ユダヤ教、キリスト教、イスラム教に登場します。一般的に知られている天使の役割は『神の御使い』です。人間の捧げる祈りの言葉を受け取り、神の名のもとでその祈りの言葉に応えることが、天使の役割です。

ですが、この天使はそれぞれの宗教によって、登場する名前が異なります。また、存在そのものの大きさや、意味合いも異なっています。宗教の中には、天使の中に階級が設けられている場合もあります。

ここでは、その天使について、ユダヤ教、キリスト教、イスラム教の3宗教のそれぞれの視点から、ご紹介して参ります。

ユダヤ教における天使とは

ユダヤ教とは、古代の中近東で始まった宗教で、神ヤハウェを唯一の神として信仰されています。救世主メシア信仰を特色としたユダヤ人の民族宗教です。

経典は『タナハ』または『ミクラー』です。キリスト教の正典である『旧約聖書』は、このユダヤ教の経典『タナハ』をもとに書かれました。また、イスラム教でも、『タナハ』がもとになっている『モーセ五書』は、『コーラン』の次に重要視されています。

ここでは、その三宗教のもとであるユダヤ教における天使について、ご紹介して参ります。

1.ユダヤ教における天使とは

ユダヤ教における天使とは、ヘブライ語で『マルアハ』と言います。これは『遣わす』という意味の言葉の派生語です。神ヤハウェが人間の捧げた祈りに対して応える為に遣わしてくださるのが、ユダヤ教における天使です。

ユダヤ教で伝承されている天使は、その存在がとても大きいという特徴があります。ユダヤの伝承に登場する天使サンダルフォンは、「背の高さが世界の大きさの半分に達する」とされています。大変巨大な存在として記すことで、天使の力が大変大きいことを象徴していると言われています。

2.ユダヤ教における大天使

ユダヤ教における大天使は、大天使ミカエル、大天使ガブリエル、大天使ラファエルの三大天使として称される場合と、更に大天使ウリエルを含めた四大天使として称される場合があります。

また、大天使ミカエル、大天使ガブリエル、大天使ラファエル、大天使ウリエルを筆頭にした、七大天使として登場する場合もあります。残りの三大天使については文献により、登場する天使が異なっています。主な大天使については次の通りです。

  • 大天使サリエル
    『神の命令』という意味を持つ、夜の魔法の大天使
  • 大天使ラグエル
    『神の友』という意味を持つ、天使の階級を監視する大天使
  • 大天使レミエル
    『神の慈悲』という意味を持つ、希望の大天使
  • 大天使ザドキエル
    『神の正義』という意味を持つ、慈愛と慈悲の大天使
  • 大天使ジョフィエル
    『神の美』という意味を持つ、芸術家の守護天使
  • 大天使ハニエル
    『神の栄光』という意味を持つ、自然の知識を人間に伝える大天使
  • 大天使チャミュエル
    『神を目に映す者』という意味を持つ、なくしたものを探す大天使

キリスト教における天使

キリスト教とは、イエスをキリスト(救い主)として信じる宗教のことです。イエス・キリストは神の福音を説き、罪びとである人間を救済する為、自ら十字架にかけられます。その三日後の日曜日の朝、イエス・キリストは復活した、と信じられています。

ここでは、キリスト教における天使について、ご紹介して参ります。

1.キリスト教における天使とは

キリスト教においての天使は『主の御使い』です。「angel」の語源は「伝令(messanger)」を意味するギリシャ語がもとになっています。

この語源が示すように、天使は神のお告げを人間に伝える伝令の役割を担っています。また、天使たちは人間が歩む道すべてで人間たちを守るように、という神からの命も賜っています。

2.キリスト教における天使の階級

キリスト教では天使には階級があるとされています。キリスト教における天使の階級は、『上位三隊「父」のヒエラルキー』、『中位三隊「子」のヒエラルキー』、『下位三隊「聖霊」のヒエラルキー』の三つです。

ここではこれら三つに分類される天使について、ご紹介して参ります。

上位三隊「父」のヒエラルキーに分類される天使

  • 熾天使(してんし)
    ヘブライ語では、『セラフィム』と言います。神の御前にいるとされる大天使です。大天使ミカエル、大天使ガブリエル、大天使ラファエル、大天使ウリエルの四大天使は、この階級にいらっしゃいます。
  • 智天使(ちてんし)
    ヘブライ語では、『ケルビム』と言います。神の姿を見ることができる天使です。寺院や神殿の入り口を守る万人の役目を担っています。七大天使のお一人に挙げられる、大天使ジョフィエルはこの階級にいらっしゃいます。
  • 座天使(ざてんし)
    ヘブライ語では、『スローンズ』と言います。唯一、神の戦車を運ぶ役割を担っている天使です。威厳と正義も司っており、「意思の支配者」という異名がついています。

中位三隊「子」のヒエラルキー

  • 主天使(しゅてんし)
    統治や支配を司る天使です。神の威光を知らしめる為の働きを担っています。
  • 力天使(りきてんし)
    高潔と美徳を司る天使です。地上にて正しい行いをする者たちの前で、奇跡の威力を見せる役割を担っています。
  • 能天使(のうてんし)
    神によって一番最初につくられた天使。地獄に落とされた堕天使である悪魔を滅する役割を担っています。ただ、悪魔と接する機会が最も多い為、一番堕天使になりやすい地位でもあります。

堕天使とは

堕天使とは、もともとは神につくられた天使です。高慢による理由で天界から追放された天使、嫉妬が理由で天界から追放された天使、自らの自由意志によって神から離反した天使が、堕天使に当たります。

下位三隊「聖霊」のヒエラルキー

  • 権天使(けんてんし、ごんてんし)
    地上存在する国や都市を守護することが役割です。また、悪霊からの守護という役割も担っています。
  • 大天使(だいてんし)
    天使の中で最高の権力と能力を誇る天使です。階級では下から二番目になりますが、実際の天界では中枢を司っています。
  • 天使(てんし)
    人間と最も密接な関係を持っている天使です。人間を悪意から守り、正義の方へ人間の意思や気持ちを向ける役割を担っています。また、大天使の命令を実行するという役目も担っています。

3.キリスト教における大天使

キリスト教における大天使は、大天使ミカエルと大天使ガブリエルの二大天使の崇敬が最も広く集まっています。ここに大天使ラファエルを加えた三大天使、更に三大天使に大天使ウリエルを加えた四大天使も、二大天使ほどではありませんが、広く信仰されています。

ただ、四大天使に更に三体の天使を足した七大天使として登場する場合もありますが、これは教派によって、聖書正典の扱いが異なる為、どの天使が七大天使に入るのかは、明確になっていません。

イスラム教における天使

イスラム教とは、唯一絶対の神アラーを信仰し、神が最後の預言者を通じて人々に掲示したとされるクルアーンの教えに従う神教です。

ユダヤ教から分裂したキリスト教ができた後に、信仰が始まった神教です。その為、ユダヤ教とキリスト教の両方の影響を受けています。

ここでは、イスラム教における天使について、ご紹介して参ります。

1.イスラム教における天使とは

イスラム教では、「天使」は信徒が信仰すべき六信の一つとされています。六信とは、次の通りです。

  • 唯一全能の神アラー
  • 天使の存在マラーイカ
  • 啓典・神の啓示キターブ
  • 使徒・預言者ラスール
  • 来世の存在アーヒラ
  • 定命サダル

コーランの中には、ユダヤ教やキリスト教と同じ名前の天使は登場します。これらの天使は、唯一全能の神アラーと人間の間で仲立ちを務め、神と人間の中間の存在とされています。

2.イスラム教における大天使

イスラム教の聖典であるコーランには二人の有名な大天使が登場します。それは、天啓の天使ジブリール(ガブリエル)と、戦士の天使ミーカーイール(ミカエル)です。

更に最後の審判のラッパを吹くイスラ―フィール(ラファエル)と死の天使と、コーランに登場するアズラーイール(アズラエル)を含めて、「四大天使」と称されています。

ユダヤ教やキリスト教に見られる、七大天使は存在していません。

【まとめ】宗教によって存在意義が異なる天使たち

ユダヤ教、キリスト教、イスラム教の三宗教における天使について、ご紹介して参りました。それぞれの宗教において、天使の存在意義は異なっています。

  • ユダヤ教における天使は、神ヤハウェが人間の捧げた祈りに対する答えとして遣わす存在
  • キリスト教における天使は、神の言葉を人間に伝え、人間を守護する存在
  • イスラム教における天使は、信徒が守るべき教えの一つ

それぞれの宗教において、天使の存在意義は異なりますが、人間を救済するという意味においては、どの宗教の天使も同じです。天使はすべての人間に救いの手を差し伸べてくれます。助けが欲しい時には、天使に助けを求めてみると良いでしょう。